私の実家は農林業を営んでいて
オフとなる雨の日には 人が集まる家でした
父の仕事仲間や親戚のおじさんが自然に集まり
宴が始まることがよくありました
さっきまで畑にいた野菜たちが母の手によって
美味しいおかずとなって大皿に盛られ
雨音と笑い声に包まれて夜が更けていく
にぎやかな雨の日が大好きでした
雨の日の私と妹の遊びは
家の中での郵便屋さんごっこと
空から落ちてきた雫が坂道を下り
家のたもとを流れる沢へすべり落ちるまで
雨の行方を追いかけること
|
今でも雨音を聞くと
紙とペンを持ちたくなります
お気に入りの傘をさし
長靴をはいて 水たまりの中を歩きたくなります
そして どんな時も傘となって
守ってくれた人たちの顔を想い浮かべます
そんな記憶が粒となって降りそそぎ
想い出は雨音のように広がります
カランコロンカラン♪
扉が開く度に想うのです
あの頃の私たちがまたここに集まっていると・・・
「ありがとう」の気持ちでいっぱいになる
それが雨の日を好きになった理由です
|